元カノ。

2004年2月9日 恋愛
「アタシ、引越しするんだ」

涙が出そうになった。なんで、なんでこんなに悲しいんだろう。

「どこへ?」

言葉がすんなり出てこない。搾り出すようにして訊ねた。

「練馬」

そっか。今のオトコが住んでいるところか・・。

「いつ?」

訊かなければよかったかもしれない。訊いたところで悲しさが増すだけだった。

「7月か8月くらい・・」

後の会話はよく覚えていない。覚えているのは動揺を悟られないようにずっと運転席から外側を向いていたことだけだ。

「もう、これで最後になるかもな」

頭に浮かんでから、言葉にするのがこんなに難しかった言葉は今までない。やっとの思いで口に出した。よく覚えていないけれど、たぶん消え入りそうな声だったと思う。

別れたのは半年前だ。ただ、半年前に別れたときよりも今のほうがずっと悲しい。なぜだろう?

たぶん、前に進んでいたからだ。カノジョが自分の知っている世界から抜け出して、新しい世界を歩いていることを知ってしまったからだ。

よく考えたら当たり前だ。人間誰でも同じように年をとり、変わっていく。

だけれど、それがわかっていてもどうしようもなく悲しかった。

喪失感を感じていた。

喪失感は、別れとタイミングがずれてやってくるのかも知れない。
喪失感は、別れと同時にスタートしてだんだん増していくものなのかも知れない。

人は何か大切なものを失った時、すぐにはその大きさはわからないのかもしれない。時間が経ちその大切なものが本当になくなってしまったんだという現実感を得た時に、なくしたものの本当の大きさに気づくのかもしれない。

今、カノジョを失った現実感を味わっている。
それと同時に今、カノジョが自分にとってどれほど大きな存在であったかがわかった気がする。

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